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コラム

2025.10.17

自動車盗難情報

【最新】警察庁による令和7年1月~9月自動車盗難状況と、推奨セキュリティ装置

【25年10月最新】警察庁発表の自動車盗難状況

警察庁から令和7年10月16日に公表された本年1月~9月の犯罪統計資料の重要窃盗犯のうち自動車盗の認知件数は前年4,460件に対して本年5,193件と16.4%増加しています。
出典:警察庁ホームページ掲載URL https://www.npa.go.jp/publications/statistics/sousa/statistics.html

ランドクルーザー・LEXUSなど人気車種のオーナーであれば、盗難対策を特に徹底しましょう。

では特に自動車盗難の多い県は?

警察庁犯罪統計資料令和7年1月~9月自動車盗対前年比較

都道府県 本年認知件数 昨年認知件数 増減率(%)
愛知県   886   667  32.8
埼玉県   598   580   3.1
神奈川県   583   337  73.0
茨城県   450   402  11.9
大阪府   442   292  51.4
千葉県   400   582 -28.8
群馬県   270   182  48.4
静岡県   211    44 379.5
栃木県   202   182 -11.0
岐阜県   137    86  59.3
東京都   128   184 -30.4

※犯罪統計資料の26ページを加工して作成(認知件数100件以上を抜粋)
静岡県の増減率がひときわ目を引きますが、一部の県を除き軒並み増減率も増加している状況です。つまりこれらの県では、元々の認知件数が多いにもかかわらずさらに被害率が増え続けているといえます。
狙われるのはやはりランドクルーザー・LEXUS・アルファードなどの人気車種であり、窃盗団はCANインベーダーによりこれらデジタルハイスペック車を狙ってきます。CANインベーダーやそれに関する最近の窃盗手口ついてはこの動画で詳しく解説しています。

おすすめの多重的CANインベーダー対策

最近の窃盗犯は、車体のドアやタイヤハウスを破壊したうえで車載コンピューターに特殊機器を接続し、メーカー標準装備のセキュリティーを無効化してきます。彼らはそのままCANをハッキングすることでドアを解錠・エンジンを始動させ窃盗を完遂します。こうした手口は「CANインベーダー」と呼ばれています。
こうした犯行を阻止するには、効果的な複数の盗難対策を実施することが重要です。この多重対策は茨城県警察や愛知県警察も推奨しています。一つの対策だけではなく、いくつもの角度や状況を想定して色々な防犯装置を付けておくことで、窃盗犯側の「窃盗を完遂するのに必要な時間」や発覚リスクを増大させられます

警察推奨の対策とは?

盗難被害に遭った方々から話を聞くと、ハンドルロックを装備していたにもかかわらず、いとも短時間で盗まれてしまっています。ハンドロックなどの物理的装備は単なる時間稼ぎにしかなりません。それらのほとんどは電動工具で切断されてしまいます。盗難多発県の警察本部は「独立型の電子制御防犯機器・警報機・GPS」を追加で装備することを推奨しています。その中でも特に、電子制御機器の一種”追加イモビライザー(エンジン始動阻止装置)”を装備することが効果的です。というのも、窃盗犯に狙われたものの未遂で済んだ(=窃盗犯が窃盗を諦めて逃走した)ケースの多くで、追加イモビライザーが装備されていたからです。

ここで警察本部などが”追加”と言っているのは、「メーカー純正の標準装備以外のものを装備することが大切」ということです。なぜなら、メーカー純正セキュリティーは車種やグレードによって仕様などが一律的なため、窃盗犯により解析・研究が進みやすく、その突破方法がマニュアル化されて共有されやすいからです。実際、メーカー純正セキュリティが搭載されているランドクルーザー・LEXUS・アルファードも多く盗難被害に遭っています。そのため私たち一人ひとりがそれぞれの追加防犯装置を装備することで、自分の車を他車とは異なるオリジナルなセキュリティー状態にしておくことが防犯上極めて重要となります。

ベースは追加イモビライザー:多層防犯の基本戦術

これを踏まえて追加防犯装置の取付優先度を整理すると以下のようになります。

当然予算が多ければ”あれもこれもすべて付ける”に越したことはありません。ただし、「使い勝手をスマートに保ちつつ、最効率的に防犯率を向上させたい」という場合はこの優先度で装備を検討しましょう。

  1. まず何よりも追加イモビライザーを搭載することで犯行そのものの成功率を激減させましょう。最近のCANハッキングにも十全に対抗できるよう、セキュリティアップデートを繰り返している製品を選定しましょう。
  2. 次からは考え方次第ですが、当協会ではアラームを優先度2番目にお勧めします。上記の追加イモビライザーとリンクして作動するホーンなども市販されています。信頼できる販売店に相談して装備しましょう。これにより「アラームを無効化する」という手間を増やすことができ、窃盗失敗や犯行発覚の可能性を増大させられます。
  3. 予算に余裕があれば追加GPSも搭載しておきましょう。これはどちらかと言えば盗まれた後のことを考えた装置です。ただし窃盗犯は盗んだ車をコインパーキングなどに数日駐車し、GPSが付いているかどうか確かめるケースが少なくありません。GPSが付いたままの車を窃盗団の拠点に運んでしまえば、警察などにその場所がばれてしまうからです。そのため自分の車に追加GPSを搭載しておくことで、一度盗まれたとしてもコインパーキングなどで発見できる可能性を高められます。

基本戦術として、追加イモビライザーをベースとして搭載し、その装置をさらに補完するために他の装置を選ぶと良いでしょう。ご自身の車種やお住まいの地域や周辺状況に鑑みて、自分だけのベストな防犯機器の組み合わせを構成しましょう。迷ったらセキュリティ製品を扱っているショップに相談するのも有効です。

まとめ:まずは自車の盗難リスクを知る

以上、令和7年(2025年)最新の盗難状況と、警察推奨の対策をまとめました。どんな対策を講じるにせよ、まずはご自身の状況を正しく認識することが大切な最初の一歩です。お住まいの地域の盗難リスク、自車の車種・グレードの盗難リスク、また現在のセキュリティ-状況の信頼度を改めて見直してみましょう。
自車盗難危険度チェックもぜひご活用ください。